「スモールビジネスを、世界の主役に。」——freee佐々木大輔さんは、「人生の挫折」から何を学んだのか?
毎週水曜22時から生放送している「何を学べば○○さんのようになれるのか(通称なにまな)」。学び続けることで自分らしい生き方を切り開く20人に、 スクーアナウンサー中田有香と受講生が直接問う30分の授業です。
今回は、クラウド会計ソフトfreee等を提供するfreee株式会社代表取締役CEOの佐々木大輔さんの授業で語られた人生の転機や挫折から得た学び、これから目指す先についてご紹介します。
仕事で大切なことは、Googleから教わった
佐々木大輔さんの大きな転機となったのは、20代の頃。転職して当時4社目となるGoogleに入社し、中小企業向けのマーケティングチームを担当したことだと言います。
“Googleのインターネット広告を中小企業に広めていくという仕事なんですけど、当時Googleでインターネット広告が中小企業なら誰でも出せるというのは、中小企業の方がぜんぜん知らない頃で。
それを広めていくと小さなビジネスや中小企業にとっても、いろんな選択肢が広がるし、それによって、実際に世界でいろいろ変わっていくという姿を見ることができたんです”
Googleに来る前にも、数社で仕事を経験していた佐々木さん。これまでは、「いまいち自分の仕事に納得感を持って取り組むことができていなかった」と言いますが、Googleに来て初めて、「仕事の意義」を感じるようになったと当時を振り返ります。
“今自分がやっている仕事って、世の中にとって意味があるなというようなことを初めて体験することができてそれがすごく面白くて。その経験も起業するということに繋がっていくわけなんですけど。自分の仕事の意義みたいなものに出会えたのは、良い転機だったと思います”
自分は何が得意なのか…。個性を見出せなかった中学時代
佐々木さんが初めて挫折を味わったのが、私立の中学に入学した頃。入ってみると、自分よりも頭も良く、スポーツもできて、喧嘩も強いなど、何かに秀でている人がわんさかいて、自信を喪失してしまったそうです。
“その中で自分の個性は何なんだろうとか、自分は何をやっていけばいいのか…。個性を発揮できるとまでは言い過ぎなんですけど。
何をやっていれば自分らしい、みたいな。相対的に何もできない人、みたいな感じに感じたんですよね。だから、どういうところで自分は勝負すべきなのか、何に生きる意味を見出せば良いのかみたいなことをすごく考えて、悩みましたよね。”
そんな悩める佐々木少年の挫折を乗り越えるきっかけになったのが、高校への進学。学校の友達はもちろん、他校の友達とも付き合うなど、交友関係が広がり、自分の世界が広がったことで、自分の得意なことや自分らしさが見えてきたと言います。
“それまでは、同じ学校の、同じ同級生の中だけでの比較だけになってしまっていて…。自分って何の特徴もないと思っていたんですけど。もっと、いろんな付き合いが増えていくことによって、それまで、そのコミュニティの中で比較の軸とかになっていない軸が出始めたんです。
そうすると、これが自分は得意かもなとか、そういうようなことを思い始めることができるようになったんです。
だから、勉強でも、スポーツでも、ピアノでも、喧嘩でもないような軸。自分らしさみたいなものを発揮したりとか、自分が得意だと思えるようなことを発見する機会みたいなものが出来たのかなと思いますけどね。”
自分がつくったもので、何かが変わるのは面白い
自分の得意なことを見つけることができたきっかけとして、授業ではfreee創業の原体験とも言える高校時代のすごいエピソードが紹介されています。
当時、学校のロゴ入りの鞄を持つことが、高校生には流行していた中、佐々木さんが通っていた高校には自分の学校のロゴ入り鞄がなく、他校のロゴが入った鞄を使用している方が多かったそうです。
そんな状況の中、佐々木さんは思い掛けない行動に。「なければつくる」という思いで、実際にロゴ入りの鞄を作ってしまったと笑います。
“普通に、部活とかで、自分のチームのジャージとか作ったりするじゃないですか。だから、そういう感じで簡単に作れるだろうから、自分で作っちゃえば良いんじゃないかなと思って。
当時は、学校に公衆電話があるんですけど。その下にタウンページがあって。タウンページで、「鞄 製造」というカテゴリーの中から、片っ端から全部、電話をして。「こういうものを作りたいんですけど、いくらですか?」と言って、聞いて。最初に100個くらい発注したのかな。
それで、売り始めたんですよね。それ自体は、面白い挑戦でもあったし、皆がそれを使うようになって、雰囲気が変わっていくのもすごく楽しかったし。最終的には、それって、そのまま、学校が興味を持って、正式版を出したんですよ。”
「歴史に残るきっかけみたいなものが作れたかな」と、当時の良き思い出を感慨深げに振り返り、この時の成功体験から「自分がつくったもので、何かが変わるのは面白い」ということを学んだ佐々木さん。この経験が、「いまの起業家マインドにも通じているのでは?」とお話されています。
スモールビジネスを、世界の主役に。
“僕たちの会社のミッションとして、「スモールビジネスを、世界の主役に。する」という、最近新しいミッションを立てたんです。スモールビジネスがテクノロジーをもって、より強くなるということに、大きなロマンを感じています。”
「スモールビジネスや中小企業は大企業には勝てない」と思う人が多い中、これから成し遂げたいことについて、そう語る佐々木さん。スモールビジネスの価値や世間の持つイメージをもっとポジティブにし、もっと面白い世の中を作っていきたいと語ります。
“そういうことが起これば、もっと世の中から新しいイノベーションとか、あるいはより個性的な生き方とかね。
そういうことが起こっていくことで、より面白い世の中になると思うんです。それに限りなく近づけていく自分たちの事業というのを実現していきたいなと思っていますけどね。”
授業内では、他にも「お金も人も付いてくるアイデアの伝え方」や、「仕事を楽しむための考え方」、「freeeの創業秘話」などについてもお話され、佐々木さんの濃い人生経験から多くの学びを得ることができます。
また、受講生からの質問に対する先生の回答から、新たな気づきや発見があるからもしれません。気になった方は、ぜひ、Schooで続きを受講してみてはいかがでしょうか。
(編集・ライティング:青野祐治 @yuji_blfd)
授業のダイジェスト版はこちら
この授業をもっと観たい方は続きをどうぞ
Schoo受講生代表 中田有香の「なにまな」グラレコシリーズはこちら
この授業が読めるSchooのテキストメディア「PENCIL」
Schooが「学び」のコミュニティ、はじめました
Schooでは365日学べる生放送を配信しています