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「ロールモデルは自分でつくる」——ビームス創造研究所、青野賢一さんから学ぶ“やりたいことの見つけ方”

毎週水曜22時から生放送している「何を学べば○○さんのようになれるのか(通称なにまな)」。学び続けることで自分らしい生き方を切り開く20人に、 スクーアナウンサー中田有香と受講生が直接問う30分の授業です。

今回は、「ビームス創造研究所」クリエイティブディレクターとして、執筆・PR・各種ディレクションといったクライアントワークからDJに至るまで幅広い分野で活躍する青野賢一さんの、授業で語られた人生の転機や挫折から得た学びついてご紹介します。

アルバイトからビームスの社員に

青野賢一さんの大きな転機となったのは、大学生の頃。当時大学一年生だった青野さんが偶然ビームスのお店にあった「アルバイト募集」の張り紙を見て、「飛び込み」でアルバイトへの応募をしたことがビームス入社へのきっかけとなったと言います。

僕、就職活動はしていないんですよね。1987年当時、大学1年だったんですが、夏休みにたまたまお店に張り紙がしてあって。それまで、働いた経験もなく人生経験も浅い10代の若者がどうしたかというと、履歴書も何も持たないでお店に入っていって「すいません、アルバイトをやりたいです!」と言ったんです。そして、今に至るという。”

その後、アルバイトから正社員になった青野さん。販売職を経験したあと、PRの仕事に就くことに。様々な領域のプロフェッショナルの方と一緒に仕事をする機会に恵まれ、それを機に一気に視野が広がっていったと言います。

特に印象に残っているのが、ビームス設立30周年を機に発行することになった「B」という雑誌づくり。目の前でプロの仕事ぶりを見られたというのは、「非常にエキサイティングな体験」だったと青野さんは当時を振り返ります。

“30周年のタイミングで、カタログのかわりに雑誌を年に4回出そうということで「B」という雑誌を作りまして。雑誌ですから、編集部が必要なんですけれど、僕らがやっているプレスルームの同じフロアの一角に、常駐の編集部というのを作ったんです。
そのとき、編集長をやっていらしたのが、元GINZAの編集長の中島敏子さんで、アートディレクターは、松本弦人さんという非常に超一流のお二人とご一緒しました。僕は、プレスという立場で関わって。外見はそういうふうに関わっていましたけれども実態としては、半分以上は編集部の人間という感じで。原稿を書いたりと、いろんなことをやっていました。
そこでまさに雑誌が生まれる瞬間とか、こうやってアイディアが形になっていくのかということを目の前で見られた経験は、本当に何にも代え難かったなと、今でも思いますね。”

自分の可能性を広げるために、流されてみるのもいい

社外のプロフェッショナルと切磋琢磨したことが、「かけがいのない財産」になったと語る青野さん。雑誌づくりのプロジェクトを終えたあとは、PR職を担いつつWebサイトのスーパーバイザーの仕事を兼務するように。さらに、2010年には、個人の持つスキルをクライアントワークに生かす「ビームス創造研究所」の立ち上げメンバーにもアサインされます。

様々な仕事を掛け持つ青野さんですが、経験したことのない世界に飛び込むことに怖さはないのでしょうか?そうした疑問に対して、先生はこう答えます。

“特に怖さというのはないんですよね。基本的に、自分は割りと流されていくというか。あまり、無理やり自分はこうだということを考えずに潮目に乗っちゃうんですよね。気が付くと回ってきた仕事に夢中になっているという感じです。”

目標を持つことの大切さや、自分のやりたいことを見つけ追求することが是とされる昨今。ときには「自分はこういう仕事をやりたい、自分はこうだ、と思わずに流されることも大切」と青野さん。今まで「将来の夢や目標」についてもあまり考えたことはないと言います。

さらに、「自分のやりたいことは何だろう」と模索している方へのアドバイスとして「あえて目標を持たず、とにかく回ってきた仕事に全力で取り組むことが大切」とアドバイスを示してくれています。

やりたいことって、やりながら気がつくこともあるじゃないですか。あと、やってみて、ちょっと違うなということもたくさんあるだろうし。やってみてだめだったら、方向を変えてみたり一回やめてみるとか。そういう判断も必要ですよね。自分が思って決めたことに縛られちゃうと、けっこうストレスに感じると思うんです。
溺れなければ大丈夫だと思うんですよね、あえて目標を持たずに色んなことに取り組むことで、見たことのない景色が見られるというのは、本当にあるんじゃないかなと思うんです。”

自分の残した足跡が、自分のロールモデルになる

執筆やアート、DJなどマルチに活躍される青野さんですが、新しいことをするために、学びに対してどのような姿勢をお持ちなのでしょうか。ここでも、自然体な青野さんらしい答えが返ってきました。

僕は学ぼうという気持ちで取り組んでいるものって、実はあまりなくて。この目標を達成するために一生懸命学びましょうと、それはそれで一つ美しい姿だと思うんですけれど、その目標が達成してしまうと、またそこから次の高みに行くのって、けっこう体力がいるじゃないですか。頑張らなきゃいけない。そこで頓挫してしまう人もいると思うんです。
ですから自分は、本当に興味を持ったことをどんどん調べていくなど、そういうことが自分の血肉となれば、楽しく知見が広がるのかなと考えています。それは、子どもの頃からずっとそうでしたね。興味のあることを一生懸命調べたりしていました。それを知りたいということ。そういう気持ちを常に持っていられたら良いなと思っていますね。それは今でもそうですね。”

常に、好奇心を大切にされている青野さん。最後に、生き方やキャリアが多様化しているなか、「自分に合うロールモデル見つけるには?」という受講生の質問に対してこうアドバイスくださっています。

“今の時代「これ!」というロールモデルみたいなものって、描きにくくないですか?それを求める傾向って、今すごくありますよね。でも、そこをもうちょっとフレキシブルに考えて、ロールモデルがいなくても自分の足跡が振り返ってみたら、自分のロールモデルになっているということもあり得ると思うんですよね。
だからあまり、即時性や有用性ばかりを追求すると、いろいろくたびれちゃうと思うので。そうすると、自分が立ったときに足がとまっちゃうとか。それよりは、ちょっとずつでも、好きなほうに進んでいく。そっちが良いかなと思ったらそっちに行けるという隙間を作っておいたほうが良いんだと思います。”

授業内では、「ビームス創造研究所での仕事」についてや「自分らしさという言葉を使わない理由」など、これまでの青野さんのご経験が余すことなく語られています。

また、受講生からの質問に対する先生の回答から、新たな気づきや発見があるからもしれません。気になった方は、ぜひ、Schooで続きを受講してみてはいかがでしょうか。

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