スクー初の書店「会話の多い本屋さん」が期間限定オープン!本屋なのに会話が多いって、どういうこと?
あなたの町に、本屋さんはありますか?
本屋は昔から、地域の人々の生活に根ざした「学びの拠点」とされてきました。とある本との偶然の出会いが、自分自身の新たな可能性を拓く。そんな経験を本屋さんでした人も多いのではないでしょうか。
ところが、近年はECサービスの台頭などの影響もあり、地方だけではなく都心でも次々に書店が閉店しています。その数は20年前と比べて半減し、今も減少傾向は続いています。
そこでスクーは、2022年に「未来の本屋研究所」プロジェクトを立ち上げ、変化の激しい時代に合わせた新しい本屋のあり方を模索しています。その取り組み第2弾として、スクーが受講生のみなさんと共創した初のオリジナル書店を、この度吉祥寺に期間限定オープンしました。
その名も、「会話の多い本屋さん」。
静かなイメージのある本屋で一体どんな「会話」が飛び交っているのか、実際に本屋さんを訪問しました。
「会話の多い本屋さん」とは
本屋さんは通常、一人ひとりがそれぞれ本と向き合う静かな場所。
しかし、さまざまな会話に開かれた本屋があったらどうでしょうか。
いろいろな「会話」が飛び交う店内で、誰かの言葉に触発され、自分でも知らなかった「好き」に出会う。
そんな場所を目指してできたのが、「会話の多い本屋さん」です。
「会話の多い本屋さん」ができるまで
①生放送授業で、受講生と一緒に企画アイディアを出し合う
全4回の生放送授業を通して、本屋やクリエイティブ、コミュニケーションに関するプロたちと受講生が協力し、「会話の多い本屋さん」をどう実現するか、その場でアイデアを生み出していきました。
②本屋さんに置く本をみんなで選ぶ
生放送授業の登壇者やゆかりのある先生方、スクーのメンバー、そして受講生のみなさんから選書を募り、「会話」について考えるための100種類の本を揃えました。
③Schoo受講生の中から立候補したメンバーが、本屋を運営する書店員として参加
本屋さんの運営期間中、書店員としてお店を盛り上げてくださる方をSchoo受講生の中から募りました。プレオープンまでの数日間、手を挙げてくださった約20名の方々とスクーの担当者が協力して、企画の実現方法や店内イベントについて更に具体的なアイディアを出し、お店を形にしていきました。
「会話の多い本屋さん」訪問レポート
こうしてたくさんの人との共創によって生まれた「会話の多い本屋さん」では、訪れた人もお店を作る協力者です。本を選ぶだけではなく、店内の「会話」に参加し自分の言葉を付け足すことで、本屋さんが出来上がって行くのです。
実際にお店を訪れると、店内は様々な形の「会話」であふれていました。
◉見知らぬ誰かと本を贈り合う「文通BOOK」
このコーナーにあるのは、誰かがあなたに贈るために選んで購入した本。購入した人のメッセージが添えられたその本を持ち帰り、代わりに次の誰かに贈る本を購入して「贈り棚」に残していく。こうして、本を介した会話のリレーが繋がっていきます。
◉誰かがあなたに宛てて書いたPOP
ここではPOPは書店員だけが書くものではありません。訪れた人がその場で帯やPOPを書き、皆の力で少しずつ棚を完成させていきます。
◉選書した人からの、声のメッセージ
店内の一角で、選書した人の音声メッセージを「聴くPOP」として聞くことができます。顔も知らない誰かの声に導かれて、タイトルも著者も知らなかった本と出会うかもしれません。
書店員さんにインタビュー
今回スクーのメンバーと一緒に本屋さんを運営するのは、書店員に立候補してくださったSchoo受講生のみなさんです。
生放送授業の初回から本屋の共創に参加してくださっている、書店員の比嘉 祐美子さんにお話を伺いました。
ーー普段、比嘉さんはどんなふうに本と関わっていますか?
最近は忙しいので、仕事の合間や仕事中に、積読している本をその時の気分でパラパラめくって、何となく概要を掴むことが多いです。
ライフスタイルの変化に合わせて8年前からリモートワークをしているのですが、仕事中はチャットツールを通したコミュニケーションはありつつも、基本的に家で1人です。なので、何かモヤモヤしたり迷ったりした時に、本に相談することは結構あります。
ーーお店には書店員の選書が置いてありますが、比嘉さんはどの本を選びましたか?
2冊選んだのですが、どちらもリモートワークを始めてから出会い、私の価値観を変えてくれた本です。
1冊目は『歴史思考』。コロナ禍に「外出時はマスクをする」という新しい常識が生まれたように、価値観というのは絶対的ではなく、その時の状況によって変化するものです。だからもし何かで悩んでも、今囚われている価値観だけが全てじゃないと思えば、少し気持ちが楽になる。そのことに気付かせてくれた本です。
もう1冊は『観察力の鍛え方』。こちらはどちらかというと、自分の内面ではなく外側に視線を向ける本です。佐渡島庸平さんという一流のクリエイターが日々どんな風に世界を見ているのか赤裸々に語られていて勉強になるのですが、佐渡島さん自身も悩みながらこの本を書いてるところがすごく面白いです。「複雑さを複雑なまま受け入れることの難しさ」という一節があるのですが、ちょっと哲学的な奥深さがあって好きなので選びました。
ーー比嘉さんにとって、本屋とはどういう存在ですか?
身近にあって当たり前の、日用品のような存在です。昔は実家の近くに小さい本屋さんがあって、学生時代はよく立ち読みをして帰ったものでした。
だからこそ、いわゆる「町の本屋さん」が年々減っているのはすごく寂しいです。今回のように期間限定でもいいので、新しいあり方の「町の本屋さん」がたくさん生まれて、続いていくと嬉しいなと思います。
ーー「会話の多い本屋さん」では、会話を通して自分の知らない「好き」に出会える本屋を目指していますね。比嘉さんは「会話」によって新しい何かと出会った経験はありますか?
私は普段から、人との会話や読書を通して他の人の視点に触れ、そこから気付きを得ることがすごく多いです。Schooの授業もよく見ていますが、他の受講生のコメントからヒントを得たり新しいことに興味を持ったりして、次の活動に繋がっているような気がします。
先ほどもお話ししたように、家に1人でいると、新しい気付きってなかなかないんです。やっぱり誰かと会話しないと、新しい何かは得られないんだなと痛感しています。
ーー最後に、「会話の多い本屋さん」の書店員としてお客様とどんな会話をしたいですか?
率直に、お客様が今何に興味を持っているのかお聞きしたいです。明確な目的があって本屋に来る方もいると思いますが、ふらっと立ち寄ったという方は何に惹かれて来店してくださったのかも気になります。
本屋という場所では、本との偶然の出会いによって素敵な化学反応が起こることがあります。ここには会話を通して本との素敵な出会いを誘発する仕掛けをたくさん用意していますので、ぜひ楽しんでいただけたら嬉しいです。
いかがでしたか?
「会話の多い本屋さん」は、2023年9月29日(金)まで営業予定です。
近くに行かれる際は、ぜひ覗いてみてください。
▼営業時間やイベント情報などは、こちらをご確認くださいhttps://booklaboratory.notion.site/daa4107a514549bc82c6cc85d35e8a5c
■株式会社Schoo
MISSION:世の中から卒業をなくす
VISION:インターネット学習で人類を変革する