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学び合いコミュニティの出発点は「焚き火理論」。インプットを自分ごと化する、仲間からの「もらい火」とは?

2024年5月に発足1周年を迎えた「& College」(以下、エンカレッジ)は、法人向けオンライン研修サービス「Schoo for Business」(以下、Schoo)の管理者様限定コミュニティです。「学び続ける組織作り」に奮闘される人事の方々が企業の枠を超えて集まり、ナレッジを共有しあったりお互いに相談し励まし合って、日々の業務に活かしています。

Schooの提供価値の一つである「コミュニティでの学び合い」を体現する、エンカレッジ。その運営を担当する竹原さんと青木さんに、コミュニティ発足の背景やそこで起きている学び合いの実態、学び合いを起こすための運営上の工夫などを聞きました。

*プロフィール(写真右から)
竹原 三貴/Schoo カスタマーサクセス・「& College」コミュニティマネージャー
2018年Schoo入社。新卒入社した人材会社のエージェント事業にてキャリアコンサルタントを担当し、その経験を活かしてSchooで法人営業と、2019年より人事コミュニティを立ち上げ。現在はカスタマーサクセスチームでロイヤル顧客への伴走と、「& Colloge」のコミュニティマネージャーを兼務。

青木 由季子/Schoo カスタマーサクセス・「& College」コミュニティプロデューサー
2023年Schoo入社。外資系人材紹介会社にて10年間法人営業を経験した後、ベルフェイス株式会社でカスタマーサクセスを経験。現在は、SchooでSMB・ジェネラル領域のカスタマーサクセスと、「& Colloge」のコミュニティ運営を兼務。


人事の学び合いコミュニティ「エンカレッジ」とは?

━━ まずは、エンカレッジについて教えてください。

竹原:エンカレッジは「ひとのことは、ひとと考えよう」というキャッチコピーの通り、日々社員の成長と向き合う人事担当者や現場の育成担当者が、同じ境遇の仲間と企業の枠を超えて繋がり学び合う場です。

人材育成に関するウェビナーや少人数で交流できるユーザー会、他社の事例やナレッジ、Schooのカスタマーサクセスが配信するお役立ち情報などを提供しています。

「エンカレッジ」という名前には、人材育成に向き合う人たちの「縁」を繋ぎ、励ます(=encourage、エンカレッジ)ための学び場(=college、カレッジ)という意味を込めています。

青木:エンカレッジはSchoo導入企業の人事担当者であればどなたでも参加できるコミュニティですが、ペルソナとして置いているのは主に、一人で頑張っている人事の方や、あれこれ兼務でお忙しい人事の方です。「人事を孤独にさせない」をコンセプトに、忙しくて育成の優先順位が下がってしまうとか、やりたい施策まで手が回らないことに悩んでいる人たちをサポートすることを目的としています。

━━ エンカレッジはどのような背景で誕生したのでしょうか。

竹原:多くの人材育成担当の方は、どうすれば現場の社員さんに学びの場を提供できるかをいつも一生懸命考えています。その一方で、人事という立場は現場と直接関わる機会が少ないせいで、現場の社員に思いが上手く伝わらずに孤独を感じてしまうケースが少なくありません。そんな方々が、それでも何とか解決策を考えようとして一人で煮詰まってしまったり、疲弊して諦めてしまったりすることが無いように、お互いに励まし合うことで育成の次の一手を考え続けられる場を作りたいと考えて、エンカレッジを開設しました。

また、研修や育成の仕事は効果が表れるまで時間がかかることも多いため、1人でモチベーションを維持し続けるのが難しい面もあると思います。エンカレッジでは人事や育成担当者が、同じ境遇の仲間との学び合いを通してスキルや知識を深めるだけでなく、ご自身の仕事の意義を定期的に言語化したり、人事としてのキャリアを前向きに捉える機会にしていただきたいという思いもあります。

━━ これまでの1年間どのような取り組みをしてきましたか?立ち上げの軌跡や活動実績を教えてください。

竹原:エンカレッジでは人材育成に関するウェビナーや少人数で交流できるユーザー会などのイベントを開催しています。ウェビナーは育成の取り組みやSchooの活用方法などについて、他社の成功事例を学ぶ場です。2ヶ月に1度開催していて、毎回30〜50名ほどが参加されます。少人数ユーザー会は、同じような悩みを抱える参加者同士で気軽に相談し合える場として提供しています。ウェビナーで成功事例をインプットしたあと、実戦に向けたプロセスのアウトプットをユーザー会で行うことができるので、両方に参加される方も多いです。

2023年5月の発足以降、毎月2〜3回イベントをコンスタントに開催し、1年間で合計24回開催しました。累計650人の人事担当者に加入いただき、気づけばここまで大きなコミュニティへと広がってきました。

青木 :コミュニティの立ち上げ期には、Schooを導入している人事の方に1on1のお時間を頂戴して、お仕事の困りごとや、どんな人がこのコミュニティに参加したいと思うかなど、理解を深めることから始めました。人材育成担当の方のお悩みの解像度を高めたことで、工数不足に悩むひとり人事の方に向けた「ワンオペ人事の会」や、人事になりたての方で交流し悩みや不安を和らげる「なりたて人事の会」、現場と距離が遠くSchoo活用促進に悩む方が交流する「遠距離人事の会」など、現場の人事の方のコアな悩みに寄り添った、参加したくなるイベントを1年間でたくさん企画できたと思います。

△コミュニティ内で開催されたユーザーイベント

「真似する・繋がる・教え合う」エンカレッジで起こる学び合いとは?

━━ エンカレッジのなかで生まれている学び合いについて、具体的に教えてください。

青木:エンカレッジの特徴は、「真似する・繋がる・教え合う」の3つを大切にしている対話型コミュニティであることです。仲間との対話の中で「これは真似できそうだな」と共感したりヒントを得ていただくことが目的で、これを私たちは “もらい火” と呼んでいます。
このようにコミュニティの熱量を “焚き火” に例えるのは、『ビジネスも人生もグロースさせる コミュニティマーケティング』という本を参考にしたアイディアです。

そしてせっかくコミュニティから得た「もらい火」が消えないように、「自分ごと化」して行動に移すまでのステップをお手伝いするのが、私たち運営担当の役目だと思っています。いくらセミナーなどでインプットしても、それを自分ごと化できなければ、その人にとって価値のあるものとして残りませんから。

例えば、普段一人では面倒な業務や難しい業務を後回しにしてしまう人も、誰かと一緒にやれば不思議とやる気が起きて、思いの外いい仕事ができることがありますよね。これは「みんなもやるなら自分もやろうかな」とか「あの〇〇さんが言っているなら、試しに真似してやってみようかな」というように、自分自身を動かすための前向きな「言い訳」があるからだと考えていて、これを私たちは「グッドエクスキューズ」と呼んでいます。

実際にエンカレッジのユーザー会に参加された方からも、「1人では思いつかなかった実績のあるアイディアをもらえました」とか、「研修設計の次のステップに何をするべきか迷っていました。教わった通り社内でアンケートを作成して方向性を決めていきたいと思います」というお声をいただいています。このように、学んだことを実践する「グッドエクスキューズ」を用意することで、インプットで終わらせず実戦に繋げる後押しができているかと思います。

学び合いは1日にしてならず。共感の連鎖を起こすための工夫とは?

━━ 学び合いを起こすための運営上の工夫について教えてください。

青木:コミュニティ内での対話を起こす秘訣は、運営が参加者一人ひとりにさまざまな角度からスポットライトを当てることです。参加者の中には、自分の知識や経験を当たり前と思っているから敢えて発信しようとしない方や、ご自身のナレッジを上手く言語化できていない方もいらっしゃいます。ご本人ですら認識していない強みを私たち運営メンバーが紐解き、言語化してコミュニティに提示することで、参加者がそれを認識することができ、そうして初めて質問や会話が生まれます。

特に参加者が直接会話できるウェビナーでは、一方的な発信にならないように会話のデザインが必要です。登壇者や質問者に他の人を勇気づける話し方をしていただけるように、トーク内容の整理と言語化のお手伝いをしています。

また、ウェビナーやイベントで発言するのはハードルが高いという方には、記事で言語化したものを発信できるような形にしたり、質問や悩みがあっても自分から発信できないという方には、運営メンバーがその声を代弁して、みんなで解決策を見つけられるように呼びかけをしています。

━━ 主役である参加者の皆さんをどのように巻き込んでいくかが鍵となるのでしょうか。

竹原:そうですね。エンカレッジは私たち運営だけでなく、参加しているユーザーさんと一緒に作り上げてきたものです。コミュニティイベントの企画やウェビナー登壇をお願いしている「先輩人事」とお呼びしているベテラン人事の方々や、一緒にコミュニティを盛り上げていく仲間として手を挙げていただいた「プレミアパートナー」の方々など、たくさんの参加者のお力を借りながらここまできました。

この場であえてお名前を挙げると、HRプランニング研究所代表の深田浩嗣さんと、株式会社ミライト・ワンの岡崎貴文さん。お二人とも生放送授業によく着席してくださっていて、Schooのユーザー体験を誰よりも深く理解されています。そういった方たちが積極的に活用方法を発信してくださったり、他のメンバーの発言にもすぐに共感のリアクションを示してくださるおかげで、コミュニティ内に学び・気づきの連鎖や共感の連鎖が広がっています。

▼深田さんは、講師としてSchooの授業にも登壇されました

━━ 最後に、エンカレッジの今後の展望について教えてください。

竹原:Schooを導入いただいた企業の方々の不安やつまずきをなくせるように、これからもカスタマーサクセスチーム全体でご支援したいと思います。そして、「エンカレッジがあるからSchooを導入しました」と言っていただけるような、人材育成担当者にとって魅力のあるコミュニティに育てていきたいです。

△インタビュイー2名を含む、エンカレッジの運営メンバー


■株式会社Schoo

MISSION:世の中から卒業をなくす
VISION:インターネット学習で人類を変革する

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