ミドルシニアの活躍にはスキルの土台となるマインドが重要。部下との関係性に悩んで気づいた「大前提」【Schoo受講生の学びストーリー】
急速なデジタル化の加速によって、ビジネスのあり方や求められるスキルが変化したことで、「リスキリング」をはじめとする社会人の「学び直し」の重要性が高まっています。また企業の持続的な成長の観点からも、社員一人ひとりが自発的に学び、主体的にキャリアを形成していくことが求められています。
お話を伺った武井さんは現在50代。水産業界一筋で働き、現在は水産加工メーカーで海外向けの事業の責任者として活躍されています。これまで部下の育成方法に課題を感じ、書籍やセミナーで学んできましたが、会社で導入した「Schoo」に出会ってからは学びの視野を広げ、思考術やマネジメントを中心にファシリテーションやデザイン経営など幅広く学んでおられます。
「会社で活躍するためにはスキルだけでなく、土台になるマインドが大切」と語る武井さんに、ミドルシニアと言われる50代ならではの悩みや学びの必要性についてお話を聞きました。
幼少期から大の魚好き!水産加工メーカーに就職し、22年間でほぼすべての業務を経験した大ベテラン
——まずはこれまでのご経歴と、現在のお仕事内容を教えてください。
子供の頃から魚が大好きで、水産高校・水産大学を卒業後、当時築地にあった中央卸売市場で競り人になりました。冷凍の魚を取り扱う部署でしばらく勤めた頃、取引先だったオカフーズからお声がけをいただいて、約22年前に転職しました。入社して最初は主に地方のお客様への営業活動を8年間ほど担当しました。次に仕入れの部門に異動し、国内の仕入れ先様や海外からの原料調達を同じく8年ほど行いました。
その後ベトナム事業室ができると同時に室に移り、現在はベトナムにある弊社のパートナー企業をベトナムNo.1の水産会社にすることを目標に、ファンを拡大するための業務を行っています。
——これまでのキャリアを通して、社会人の学びの必要性や難しさについてどのように感じてこられましたか?
オカフーズという会社は先代の頃から学びを重視する文化があり、研修や読書を通した学びは以前からやっていました。ただ、今思うとインプットすること自体が目的になっていて、あまりアウトプットを意識できていなかったように思います。
社会人としての学びは学問とは違って、学んだことが成果に繋がって初めて意味を成します。「Schooを〇〇時間見る」ことではなく、常にアウトプットに繋げる意識を持って学ぶことが大切だと思います。
学び直しのきっかけは、部下との関係性への悩み。「一緒に仕事したくない上司No.1」だった部長時代
——武井さんの場合は、どういった目的・課題意識で学んでこられましたか?
かつて商品部の部長だった頃、部下の育成に悩んでいました。最大で9人の部下がいましたが、人並み以上に努力してきた自負がある分、若い人に対して「この程度で褒めるわけにはいかない」というスタンスだったんです。それで何人かとは関係性が上手くいかず、会議室に呼ばれて行ったら、部下の一人に涙を流しながら「武井さんの言ってることは正論だけど、嫌なんです!」と言われたこともありました。今思うと「上司にしたくない人No.1」でした。
何とかしなければと自分なりに学んでいたときに会社でSchooを導入することになり、Schooでの学びが解決への後押しになりました。
——具体的には、どんな授業でどんな学びを得ましたか?
特に印象に残っているのは、吉井先生の「習慣が10割」です。社長から「考え方はなかなか変えられないけれど、意識や行動・習慣は変えられる」とアドバイスしていただいて見るようになったのですが、上手くいかないことを環境のせいや他人のせいにして逃げるのではなく、自分自身の「心を整える」ための行動や習慣を学びました。
Schooで学べるたくさんのスキルやテクニックはどれも大事ですが、どんなに優れたスキルを持っていても、「あの人をチームに入れると面倒くさいよね」と思われたら最後、活躍の機会すら与えられません。特に年齢が上がるほど、その程度が酷いとみんなが離れていってしまいます。
ある程度の経験を積み、スキルを培ってきた我々ミドルシニアにこそ、スキルの土台になるマインドが重要だと気づきました。
自分が変わると周りも変わる。社内で必要とされる存在になり、スキルアップへの意欲もより高まる
——そういった学びの積み重ねを経て、ご自身のお仕事や生活はどのように変わりましたか?
意識して「心を整える」ようになって、部下から報告や相談を受けることが増えました。
以前の私は、話しに来た部下に「なんで今報告するの?先週の時点で分かってたことじゃないの?」と問い詰めてしまっていました。部下たちはきっと内心、「武井さんに報告すると怒られる」「あわよくば報告しないで切り抜けたい」と思っていたでしょう。
勿論、怒られたくないからと言って報連相を怠るべきではありませんが、そんな正論を振りかざすより、トラブルが起きたらまず一緒に事態を収集し、「できるだけの努力はしたんだよね、ありがとう」と頑張りを認めた上で、「でも、ここはこうした方がよかったね」と指摘する。そうすることで、ベトナムでも日本でも、以前より密に報連相してもらえるようになりました。
また、色々な人から会議の同席や制作物へのアドバイスを求められるようにもなりました。それに応えられるようにもっとスキルを磨きたいと思い、Schooでもビジネススキルの講座を見る割合が増えました。
——ご自身の経験を踏まえ、武井さんと同世代の方々の学びの課題について、どう考えていますか?
我々はいわゆる第二次ベビーブーム世代と言われ、たくさんの同世代たちとの激しい競争を生き抜いてきました。だから「自分に厳しく他人にも厳しく」が当たり前で、理不尽な苦労と努力の先に得られるものがあるという価値観から抜け出せず、同じ理不尽を下の世代にも強いてしまいがちな節があるように思います。
例えばテレワークについても「いやいや、仕事は会社で顔を合わせてしないとダメでしょ」という自分の「こうあるべき」を曲げられなかったり、ChatGPTを業務に使うか否かについても、「そんなものを使って楽するなんてけしからん」と思う人は、私たち世代には多そうな気がします。
でも実際にテレワークをしてみると、こんな効率の良いことはありません。何でも端から否定するのではなく、どうすれば上手くいくかを模索する方が建設的ですよね。アンラーンが1つのテーマだと私は思っています。
——最後に、学んだことを活かしてこれからどんなことに挑戦したいですか?
私の重要な役割の一つに、ベトナムの水産加工工場のPRがあります。これからはもっと色々な媒体を使って魅力を伝えたいと思い、ベトナムの工場のメンバーを日本に1週間招待して滞在中の様子を撮影し、Vlog風にまとめたりもしました。
また、オカフーズで扱う魚の特徴やおすすめの食べ方を面白おかしくまとめたチラシも作りました。デザイン経営の授業で学んだエッセンスを取り入れながら、私の感性を軸に仕上げたつもりです。元々図工や美術が好きだったのもあり、これまではずっと自己流でやってきましたが、プロの先生から積極的に学ぼうとする素直さはやはり大切ですね。
今後も培ったマインドの上にさらにスキルを積み重ねて、ベトナム事業室やオカフーズの魅力をたくさんの方に伝えていきたいです。
▼参考:
これまでの「Schoo受講生の学びストーリー」
Schoo大人気講師の「学びストーリー」
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VISION:インターネット学習で人類を変革する