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常に意識するのはゴールからの逆算——全体最適のマネジメントで、新CTOが組織のバリューを最大化する

2024年4月、さまざまな企業の技術的な課題解決に注力してきた加藤彰宏さんが、技術顧問を経て、CTOとしてスクーに入社しました。加藤さんがこれまでどんなキャリアを歩み、どのような思いをもってスクーに入社したのか。そして「世の中から卒業をなくす」というスクーのミッションを叶えるためにどのような改革を起こしていくのか、話を聞きました。

加藤彰宏(かとう・あきひろ)
新卒でエンジニアとしてSIer業界へ就職。2社を経て楽天市場RMS開発責任者として開発に従事後、スターフェスティバル株式会社へ参画、CTOに就任。2015年9月〜17年9月まで同社取締役、2016年7月〜17年6月まで「ごちクル」事業長を兼任。
2018年5月に株式会社Plus10Percent 設立。代表取締役として、複数企業の社外CTOや技術顧問を担当。
2018年よりキュービック技術顧問、2021年より同社執行役員CTO。
2024年1月にSchooにジョイン。技術顧問を経て、同年4月にCTOに就任


1人よりもチームで実現する。常に意識してきたのは「組織にとっての最適解」

—— まずはこれまでの加藤さんのキャリアについて、教えてください。

加藤彰宏(以下、加藤):大学卒業後はエンジニアとしてSIer業界に就職し、主に工場のシステム構築を担当していました。仕事に向いている実感がありましたし、やりがいもあったのですが、世の中ではインターネットが盛り上がりを見せるなかで、「工場内に限定されたシステムだけでなく、広く世に送り出して社会に貢献できるようなものをつくっていきたい」と思うようになり、4年で退社。WEBアプリの開発会社に転職しました。

そこでは、「エンジニアとして1人でつくれるものには限界がある」ということを感じるようになって。1人で頑張っても、出せる力はせいぜい1.2倍程度。でも、リーダーとして貢献し、10人が1.2倍ずつ頑張れば12人分のバリューを生むことができるはず——その思いから、チームとして、会社の目標達成のためにいかに価値を最大化させられるかということを、常に意識してきました。そもそも私は、スペシャリスト思考というよりプロフェッショナル思考が強いんだと思います。

これは、趣味のトライアスロンにも通ずるものがあって、競技に向かうにあたっては常に、ゴールという目標の達成に向けてどんな準備が必要か、土台となる体力アップのために何をやるべきか……準備もトレーニングも、目標から逆算してコツコツやることを楽しんできました。今も、朝6時から水泳をして、仕事をしています。

—— そのプロフェッショナル思考は、どのような体験から生まれたものなのでしょうか。

加藤:大学時代に経験した人生初のアルバイトが、キャリアの原体験となっているんじゃないかと思います。

私は幼少期をブラジルで過ごした帰国子女で、当時は日本語とポルトガル語が無意識に入り混じってしまうためコミュニケーションが苦手でした。大学生になり、人との会話が少ないのではないかという理由で選んだアルバイトが、マクドナルドの調理スタッフだったんです。裏方を希望して始めたアルバイトでしたが、ひょんなことから、まだ経験も浅い自分が店舗マネージャーに抜擢される機会がありました。そこで、接客はもちろん、シフトや売上の管理、採用、人材教育まで、言わば小さな企業の経営に近い職務経験をしました。「どうやってお金を稼ぐか」「どうやってメンバーのモチベーションを上げるか」を常に考えるという「経営」のキャリアが、ここでスタートしていたんだと思います。

苦手だった接客も、知らないお客様が自分のおすすめしたものを買ってくださるとうれしくて。いつの間にか会話も楽しくなり、壁を乗り越えていました。

—— 3社目となる楽天グループでは、そうした原体験が活かされマネジメントの経験を積まれています。その後ジョインしたスターフェスティバルではCTO、取締役、事業長と、さまざまなポジションをご経験されていますが、ご自身のキャリアパスで意識されてきたことはありますか?

加藤:どのポジションであっても、その組織が一番価値を発揮できる状態にあるためにはどうしたらいいか、を最優先に考えてきました。常に全体最適を意識しながら、自分も含めて組織をチューニングしていく。さらに言えば、開発や技術といった部門に閉じることなく、その組織のなかで求められている、必要とされていることはなんでもやりますし、ほかの人がやったほうが価値が生まれるのであれば、喜んでポジションをお譲りする、というスタンスで仕事をしてきました。

—— その後2018年にPlus10Percentを設立。どのような思いからご自身の会社を立ち上げたのでしょうか?

加藤:それまでに培ったエンジニアリング力を活かしながら、組織開発やチームビルディング、技術力向上など、自分の一番得意とするスキルをいろんな会社に提供していきたいと思い、起業するに至りました。

延べ40社以上の会社と関わってきたなかでも、キュービックは技術顧問から後に執行役員/CTOとなり、よりコミットした形で参画しました。Plus10Percentが提供するサポートは基本的に、課題が解決すればその任務は終了です。自走できる体制が整えば卒業させてもらう、というのが理想だと考えています。

代表の森が目指すビジョンに惹かれコミットを決意

—— スクーとの出会いについても教えてください。

加藤:趣味のテニスがきっかけで、COOの古瀬さんと知り合ったのがきっかけです。テニス仲間として交流を深めてきたなかで仕事の話もするようになり、開発課題の相談をいただいたのです。それが2023年の秋だったと思います。会話を重ねたなかで、自分が解決できることがあるだろうと、2024年1月に、技術顧問としてお手伝いさせていただくことになりました。

そもそも、これまでの経験から、課題解決をしていくなかで常に必要だったのは「人を育てる」ことでした。そのためには共通のプラットフォームや教える「型」がなければ、日本の社会人教育はおそらく進んでいかないだろう——そんな課題感があるなか、スクーは私自身が感じていた課題解決につながるサービスではないかと、以前から個人的に注目していたんです。

—— 4月からはCTOとしてスクーに入社されました。加藤さんをより深くコミットさせた要因はなんだったのでしょうか。

加藤:代表の森さんと初めて話した時、自分がイメージしていた教育の理想のあり方よりも、さらにずっと先までヴィジョンを持っていて衝撃を受けました。自分の考えの小ささを感じたんです。「スクーのミッションを叶えるためにはしっかりコミットしてやっていかなければならない」、と腹を括りました。

目指す未来を実現するためのテクノロジーを、自分たちで形成できる組織に

—— スクーにジョインしてからまだ数カ月ではありますが、これから向き合うべき課題とはどのような部分にあると感じていらっしゃいますか?

加藤:正直なところ、短期では解決できないくらいの課題があると感じました。

例えば、「技術力」の問題。森さんが掲げる企業としてのミッションを叶えるためには、私たちはもっと高度な技術力をもった強いエンジニア組織になる必要があります。同時に、「採用」にも課題があります。組織が機能しはじめ、プロパー人材に加えてリファラル採用がより活性化した状態になれば、エンジニア組織の強化にもつながります。スクーが目指すミッションに到達するには、技術力の高さに加えてある程度の人員も必要です。組織内を丁寧に整理して、それぞれに成長のきっかけを与えることで、必ずよくなっていくはずです。

—— 今後スクーで目指す、エンジニア組織の理想の姿とはどのようなものでしょうか。

加藤:将来会社が目指したい未来をつくるためにどうすればいいか。そこから逆算し、それを叶えるためのテクノロジーを自分たちで形成できるような組織にしたいですね。実現する自信はあります。

コンピュータと働く人の通訳だからこそ、「正直」であれ

—— 最後に、加藤さんが仕事をする上で大切にしていることを教えてください。

加藤:「正直にやる」ことと、「素直になる」ことです。

エンジニアは「コンピュータと働く人たちとの通訳」。そこに「正直さ」がなければ、人がコンピュータを信じられなくなり、テクノロジーを信じられなくなっていくでしょう。それはスクーのサービス自体の根底を揺るがしかねません。だからまずは、エンジニアが「正直」であることが非常に重要です。

そして、人は「素直」であることによって成長できます。特に教育サービスをやっているからには、一緒に働く人たち全員に「素直さ」を持っていただきたいです。もちろん私自身も、ずっと持ち続けていきたいと思っています。


■株式会社Schoo

MISSION:世の中から卒業をなくす
VISION:インターネット学習で人類を変革する

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