「九州という地域で、胸を張って掲げられるスクーの旗印を」クリエイティブ担当者が込めた想い
スクーは2023年10月、これまで以上に地域と深く向き合い、学びを起点とした地域課題の解決を目指すために、創業以来初めての地域拠点となるサテライトオフィス『KYUSYU Schoo SITE』を熊本県熊本市に設置しました。
取り組みを始めるにあたって、旗印となるタグラインとロゴを制作した海原さん(デザインユニット・アートディレクター)、二宮さん(社長室・BizDev)の二人に、制作の背景やクリエイティブに込めた想いとこだわりについて聞きました。
▼参考記事:代表取締役CEO 森のインタビュー
——まずは、九州オフィス設置にあたってタグラインやロゴの制作を行った背景を教えてください。
二宮:今後九州で様々な取り組みを進める上で、まずは九州の皆さんに信頼していただける存在になることが何より重要だと思っています。そのためには、スクーのことを知っていただかなければ始まりません。スクーがどんな会社なのか、何を目指して何を行っている会社なのか、私達の思いやスタンスを分かりやすくお伝えできる象徴的なものの一つとして、タグラインやロゴの制作を行うことにしました。
このタグラインとロゴは今回のサテライトオフィス設置の対外発表の瞬間のためだけのものではありません。今後末永く九州の皆さんと様々なことを試み、一緒にお取り組みをさせていただくにあたって、繰り返し使用することを想定して作っています。
「学びをたずさえ、共に試みる」というタグラインについて
——タグライン「学びをたずさえ、共に試みる」の前半部分、学びを「携える」という表現にはどんな意図があるのでしょうか?
海原:「携える」という動詞は「手に持つ、身につける」という意味ですが、スクーは学びという手段を「携え」て色々な社会変革を起こしていこうとしている、と言えます。そして九州の人たちも、これまで九州という地域で試行錯誤を繰り返して培ってきたものを「携え」ながら生きている。それぞれが持つ特性や経験などが日常に溶け込んでいる様子を表現する言葉として、「携える」を選びました。
二宮:海原さんの言う通り、スクーにとっては学びがゴールではなく、学びを手段として色々な事業を展開していく会社なので、学びを「携える」という表現は私もしっくりきました。
代表の森と九州に何度も伺い、たくさんの歴史や現在の取り組みについてお話を聞かせていただきました。その中で、自分たちを律するために多く学んできた歴史があることや、異なる文化や考え方を受け入れる寛容さ・しなやかさがある地域なのだと個人的に感じたことも、この言葉を選んだ理由の一つです。
二宮:タグラインの中で私がキーワードだと思っているのは「試みる」です。同じ漢字でも、「試みる」は「試す」とは違うんですよね。「試す」は「対象とするものの性能や実態を知るためにやってみる」という意味で、「試みる」は「どんな結果になるかわからないが、とにかくやってみる」という意味合いが強い言葉です。
私達は様々な社会課題の解決はもちろん、都市と地域がそれぞれに培ってきた学びを高度に融合させた「第3対案」とも言える、これまでにない「次の社会」を地域のみなさんと模索し創造したいと思っています。まだ誰もやっていない・上手くいくかわからないことにスクーしかやらない形で挑む、その想いやスタンスが一番表されていると感じた言葉が「試みる」でした。
海原:「試みる」という行為は、スクーのフィロソフィーであるLaboratory #105の精神(*)にもすごくマッチします。そもそもタグライン制作の目的が「スクーが何者か知っていただく」ことですから、スクーの「らしさ」やマインドも提示できる最適なワードだと思っています。また、 「都市」と「地方」という対立構造や優劣を想起させず、九州の今までとこれからを否定するような余所者が語る白々しいビジョンでもない。あくまでも九州の課題に一緒に取り組もうとしていて、「敵ではないんだな」と受け取ってもらえる共同体的なニュアンスを表現できるよう意識しました。
「州」の文字に「学」の要素を組み込んだロゴについて
——今回のロゴは九州の「州」の文字がベースになっているようですが、3つの点が本来の向きと違うのは、何を表しているのでしょうか?
海原:このロゴは見た通り「州」の字がベースになっていて、その3つの点要素を「学」という漢字の象徴的な「つかんむり」の要素で代替しました。これでスクーの象徴である「学び」と九州地域とのコラボレーションを表現しています。
僕には熊本出身の親友をはじめ、九州出身の友人が多くいて、九州という地域に勝手に親近感を持っているのですが、九州の人々にはどこか粘り強さや力強さといったものを感じます。「州」という漢字は「中洲」が元になってできたそうですが、川が持つ雄大さや形を変えながら長い時を在り続けるたくましさが、僕が感じる九州の気質と重なると感じ、「州」の字をベースに据えました。
ロゴを作るときに大切にしたのは、飽きがこない普遍性があること、どの大きさでもきちんと伝わるシルエットであること、そして、そのテーマでしか成し得ない形であること。この3つです。3つの点の部分に「学」のつかんむりを使うアプローチによって、創業以来12年間学びに向き合い続けてきたスクーだからこその表現に落とし込めたかなと思っています。
二宮:私たちも最終選考の段階でいくつかの候補を見せていただいたのですが、「圧倒的にこのロゴが良いです。絶対これです!」とお伝えしました。海原さんの言う通り、まさに「スクーしか作れない、使えないロゴ」だという点が決め手になりました。
——「州」の3つの点要素を「つかんむり」で代替するというアイディアには、どうやってたどり着いたのですか?
海原:先ほどお話した通り、まずコンセプトは「州」という文字が反映する九州らしさであって、その中核である「川」に何かしらの要素を足して「州」の字を表現するためには、何が使えるだろう、と考えました。
九州の7県を表す7本線で丸を描いてみたり、色々と試してみたのですが、最終的には「学びを携え、ともに試みる」というタグラインに導かれて「学び」をテーマに加えました。「学」という字は旧漢字の「學」が時代とともに形を変えて生まれたものです。その事実が体現しているしなやかさというか、そうしたニュアンスもこっそり含まれています。
——今回のロゴとタグラインは、海原さんを中心に強いこだわりを持って作られたことが伝わります。最後に、そのこだわりの背景にはどんな想いがあったのでしょうか?
海原:僕はもちろん、他の全ての社員たちも、スクーのミッションとビジョンに共感して、勇気づけられて、スクーが描く「世の中から卒業をなくす」という世界を実現したいと本気で思うからこそ、ここにいます。そのスクーがこれから九州で「次の社会のあり方」を1から模索していくとなった時、その取り組みに関わる人たちが胸を張って「これがスクーのスタンスです!」と堂々と言えるものにしたかった。その先頭で旗を振る森さんや社長室のメンバーたちが、自信を持って掲げられるようなクリエイティブをちゃんと作りたかったんです。
それがどこまで達成できたのかはこれから分かることですが、清々しさは感じていますし、これからの展開に僕もワクワクしています。
■株式会社Schoo
MISSION:世の中から卒業をなくす
VISION:インターネット学習で人類を変革する