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幅広い学びに触れ、やりたいことを見つける機会を提供したい。|Bui Thanh Chung

大学進学という人生の大きな節目までに、自分のやりたいことに気付くことができなかったというBuiさん。「日本でエンジニアになりたい」という夢を見付けたのは建築大学での学生生活も後半に差し掛かった頃でした。卒業後、働きながら大学院に通い直しソフトウェア開発を学ぶなど、持ち前の勤勉さでエンジニアへの道を切り拓いていきました。

「もっと早くやりたいことを見付けられていたら…」と語るBuiさんは、現在開発中の大学・専門学校等向けのプロダクト「Schoo Swing」に、そしてスクーのオンライン学習コミュニティに大きな期待を寄せています。自身もオンライン学習と縁の深い人生であったというBuiさんに、その期待の理由を聞きました。

BUI THANH CHUNG(ブイ タンチュン) - 開発ユニット エンジニア
2013年にベトナムの日系建築会社に新卒入社するも、すぐにエンジニア転向を目指して働きながら大学に通い直す。努力の甲斐あって、2017年にはシステムエンジニアとして就職し、同時に日本での生活をスタートする。その後「インターネット学習で人類を変革する」というスクーのビジョンに興味を持ち、2020年4月に同社に入社。現在は開発ユニットに所属し、エンジニアとして高等教育機関向けDXプラットフォーム「Schoo Swing」開発の中核を担う。

建築大学の学生が、ある日ソフトウェア開発に目覚める

私は今スクーでエンジニアとして働いていますが、私がこの道を進むと決めたのは、大学時代の経験がきっかけでした。

大学に進学するまでの私は、我ながら平凡な学生だったと思います。高校卒業を控えて進路について考え始めたものの、自分が何を学びたいのかが自分でも分かっておらず、建築系の仕事をしていた父親の影響を受けてとりあえず、ベトナムの建築大学に進みました。

そんな建築大学での学びも3年生に差し掛かった頃、私はソフトウェア開発に目覚めます。当時基礎設計の授業で基盤の属性ごとに対応する指数を調べる工程があったのですが、たくさんの資料を突き合わせて調べる必要があったので、毎回すごく時間がかかっていたんです。私はそれが苦痛で、何とか簡略化できないかと考えた結果、項目を入力するだけで指数を調べられるソフトウェアを自ら開発しました。学科の友達にも共有すると、みんなすごく喜んでくれました。アプリを作って面倒な作業を効率化することで、より有意義な時間の使い方ができ、自分を含めたみんなの課題を解決できる。これが原体験となり、それ以降私はソフトウェア開発に夢中になっていきました。「自分が本当にやりたいことはこれだったんだ!」と気付いたんです。

また大学4年生の時には、日本の建築系の大学生と交流する機会がありました。それまでは日本の漫画やアニメは少し知っていた程度で、日本の社会や会社にはそれ程興味がなく、日本で働きたいとも当然思っていませんでした。ところが、同じ学生で年齢も近い彼らがすごく勤勉でプロフェッショナルだったので、自分もそのような姿勢を学びたいと思い、日本について深く調べ始めました。そこから日本社会や日本で働くことへと興味が広がっていきました。日本語を勉強するようになったのもこの頃です。

働きながら大学院で学び直し、念願のエンジニア転向と来日を果たす

自分はエンジニアになりたいんだと気付いたものの、大学を途中で辞める訳にはいかず、そのまま建築学部を卒業しました。エンジニアになるためにはまた一から学び直す必要がありますが、大学で学ぶのにはお金が必要です。そこで卒業後3年間は、建築の専門知識を生かしてベトナムの日系建築会社で働きながら、ハノイオープン大学の情報技術学部で社会人向けのコースに通いました。

仕事と勉強の両立はとても大変で、当時のことは思い出したくないほど、人生で一番辛い時期でした。週1回程度の通学以外はオンラインで授業を受けていたのですが、平日は毎日仕事を終えて18時に帰るなりすぐコンピュータを開いて勉強し、土日は大学に行って課題やテスト勉強をしていました。

それに加え、会社の福利厚生で日本語の講座を受けられたので、それを使って1年間みっちり日本語を勉強しました。​​在籍期間中に半年ほど日本に駐在したのですが、実際の日本での仕事環境はやはり私の肌にあっていて、改めて日本で働きたいと思うようになりました。

でも実は、一番辛かったのは勉強そのものよりも、卒業した後本当にキャリアチェンジができるのか、新卒の子たちとの就活競争に勝てるのか、という不安と戦い続けることでした。二度目に大学を卒業した当時、僕はもう28歳でしたから。

日本でのエンジニア人生をスタート。自身も馴染みの深かったオンライン学習の可能性に注目し、スクーに転職。

転職活動は楽ではありませんでしたが、無事にエンジニアとして日本で働くことを叶えられる会社に入社できました。大学在学中も勉強がてらITコミュニティに参加して、他のフリーランスエンジニアたちに混ざっていくつかのシステム開発を経験したのですが、それを実務経験として認めて評価していただいてのことでした。

そこでしばらく経験を積んだ後、2度目の転職活動をするのですが、当時は教育に興味があった訳ではなく、エンジニアとして活躍できること、システムを開発するだけでなくユーザーからのフィードバックを受けてプロダクトを改善し続けられることの二つを軸に、業界を絞らず転職活動をしていました。その中でたまたまスクーに出会い、ミッション・ビジョンにある「人類を変革する」というフレーズの強烈なインパクトと、私自身もこれまで縁があったオンライン学習サービスの会社だという点に興味を持ちました。

私が一番惹かれたのは、動画をアップロードして終わりではない双方向性のある生放送授業を提供していること、「Schoo」が「オンライン学習コミュニティ」であることでした。学習者が学びを始めやすく続けやすい環境にこだわる姿勢が、他社とは大きく違うと思ったのです。

世界には、時間の制限や経済的に厳しい状況にあるせいで学びを諦めている人がたくさんいます。私自身も新卒の頃かなり苦労しましたが、なんとか仕事と大学での学びを両立できたのは、時間や場所にとらわれず低コストで学べるオンライン学習を活用できたことが大きいです。スクーのオンライン学習サービスなら、そういった人たちにも学びやすい環境を提供できるはずだ。自分もそんなスクーのビジョンを達成する一助となりたい。そう思って、入社を決めました。

「Schoo Swing」は、学生の時自分が欲しかったサービス。日本中、世界中の大学に広げたい。

私は大学時代からずっとITエンジニアに憧れていましたが、結局それを本格的に学び始めたのは社会人になってからで、実際にエンジニアになれたのは卒業から3年後でした。もし私がもっと早くに勉強を始められていたら、もっと早くエンジニアになれたかも知れません。それにはもっと早く、大学の1、2年生までに、自分のやりたいことに気付けていたら…。

今開発に携わっている「Schoo Swing(以下、Swing)」は、過去の私のように自分のやりたいことを見付けられていない学生の力になれるプロダクトだと思っています。現時点ではオンライン授業の配信や学習行動のデータ化など、教員向けの機能が多く実装されていますが、「学修者本位の教育」を実現できる学習管理プラットフォームを目指して日々開発を進めています。

一例として、先日の機能追加リリースによって、Swingを導入いただいた大学の学生さんが「Schoo」の8000本近い授業動画を視聴できるようになりました。これによって「Schoo」の授業を補助教材として活用できるだけでなく、学生の興味関心次第では専門領域以外についても自由に学ぶことができます。将来の道を模索中の学生にとって、幅広いトピックの学びに手軽に触れられることは、とても価値があることだと思います。さらに今後は、限られた時間の中で何を学べばいいか分からない人に向けて、適切なコンテンツや学び方を提案できる機能も追加できたら面白いと思います。

こうして、「自分が大学生の時にSwingがあったらよかったのに!」と思えるようなプロダクトに育てていくことが今の目標です。そしてそれを日本中、いや世界中の大学に導入いただいて、たくさんの学生さんたちの役に立てたら、これほど嬉しいことはありません。

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