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カウンセラーの経験が人事の仕事に活きる。オンリーワンのキャリアを拓いた「学びの掛け算」とは

「人生100年時代」を迎える中、一人ひとりが自律的にキャリアを築き、人生を豊かにしていく時代が到来しています。スクーのメンバーにも、学びによってキャリアの可能性を拓いてきた人が多くいます。

HRアクセラレータユニットに所属する仲田朋恵さんは、人事としてスクーの組織開発を担いながら、社外ではカウンセラーとして働く一人ひとりのキャリアを支援する活動も行っています。人事やカウンセラーの道に進むことになったきっかけは、大学時代に学んだ臨床心理学だと言います。

「人」と「組織」の両方から、人の“ペイン”を解消したいという仲田さん。学びによってどんなふうに自身のWILLを見つけ、キャリアを拓いてきたのか聞きました。

仲田 朋恵 - HRアクセラレータユニット 
2009年東京学芸大学教育学部卒業。デザイン制作会社など3社にて人事として従事。2022年12月にSchooに入社。国家資格「キャリアコンサルタント」、「公認心理師」などの資格も活かし、副業でカウンセラー業務(キャリア支援やメンタルヘルスケア)も行っている。


ライフワークとして学び続ける臨床心理学。大学時代に目にしたのは、「キャリア自律が家庭にもたらすポジティブな影響」

━━ 人事としてのキャリアを歩んできたことと、ご自身の学びとはどんな関係がありますか?

そもそも人事としてキャリアを始めることになったのは、大学で臨床心理学、特に職業発達の分野を学んでいたことが大きいと思います。就活をしていた時に、面接で興味のある分野などについてお話したところ、「人事って興味ある?」と聞かれ「はい!」と即答したところから人事配属となったんです。

元々心理学に対しては「ふわっとしたことをやってるんだろうな」という先入観があり、ロジカルな実践が好きな私としては興味を持っていなかったのですが、高校の先生から勧められた『やさしさの精神病理』を読んで、私の想像以上に人の心の状態や治療のプロセスが理論として確立されていて当初のイメージが覆ったことから興味を持ちました。以来ずっと、心理について学ぶことは私のライフワークになっています。

━━ 臨床心理学の中で職業発達という分野を専攻に選んだのは、なぜですか?

大学時代、ボランティアで障害を持つ子どもの家庭のご支援をする機会があったのですが、そこで学んだのは、ご両親はじめご家族のキャリアの問題も無視してはならないのだということでした。お子様のケアはありながらも、ご自分の人生を選択的に生きている実感は家庭環境にポジティブに影響すると感じることが何度もありました。

また、障害を持つ子ども自身も「誰かと繋がって生きたい」と社会に出ることを望むケースは多く、キャリアの話は私が思う以上にいろいろな側面を持つのだということを痛感しました。それから大学でもキャリアに関することを学ぶようになり、専門領域を決める過程で職業発達を選びました。

人事一筋、15年。スクーが「学び続ける組織」であるための組織開発を担う一方、社外ではカウンセラーとして活動

━━ 現在の仕事内容やこれまでのキャリアについて教えてください。

2009年に新卒入社して以降、気付けばずっと人事畑で仕事をしてきました。1社目はデザイン制作会社で、新卒ながら一人目人事として労務・採用・評価・教育・総務を担当し、初めは右も左も分からない中で必死に業務をこなしていました。また入社3年目には、大学で学んだ内容と実務で学んだことを活かしてキャリアコンサルタントの資格も取りました。当時の記憶が残っていない程目まぐるしい日々でしたが、今になって思うのは、人事をやる以上、採用にしても評価にしても労務の知識が必要になるので、この時労務を含めて網羅的に経験できたことが人事としての基礎固めになりました。

その後10年間で人事業務が一通りできるようになり、新しく組織開発への興味が出てきたことで転職しました。組織開発という言葉は定義が色々ありますが、基本的には人事制度をはじめ、評価・各種研修・社内の取り組み・各種福利厚生・オフィス環境・対話の促進などを含む「社内のコミュニケーション設計」のことだと思っています。2社目は1万人規模の歴史あるSIerでしたが、ちょうどコロナ渦での入社となり、リモートワークの中で学びの仕組みを作ったり、多様な業務を経験しました。2022年にスクーに入社してからは「学び続ける組織」を作る組織開発を担当しています。

現在はスクーで人事として働く以外に、キャリアコンサルタントの資格を活かしていくつかの企業で外部キャリアカウンセラーをしています。産休育休取得や子育てとの両立、やりたいことや強みがわからないなど自己分析のお悩み、会社内での人間関係によるトラブルなど、様々な困りごとについて相談を受けています。

加えて半年ほど前からは、公認心理師の資格を活かして心理カウンセラーとして個別のご相談も受けています。こちらは母子関係、人間関係や心理的問題が仕事のトラブルとして現れてくるケースについて、クライアントさんと一緒に心の問題に向き合っています。

「人事×カウンセラー」社外の学びが人事の仕事に活きている。

━━ カウンセラーの資格を含め、まさにライフワークとして学び続けていますが、学びが人事としての仕事に活かされた実感はありますか?

カウンセラーの仕事は決まった時間の枠内でその人の困りごとを解消するスキルが必要なため、資格取得後も事例を読んだり勉強会に参加したりして勉強し続けました。数年後に公認心理師の資格を取ったあたりから本格的にカウンセリングを仕事にするようになったのですが、経験を積んでカウンセラーとしての振る舞いがある程度身についたことで、逆に人事としての振る舞いを意識できるようになりました。

以前ロート製薬の元CHROの高倉さんとお会いした際、「人事は経済学・心理学・社会学などあらゆる方面から『人』に詳しくないといけない」とおっしゃっていたのですが、今は本当にその通りだと思います。

社員の一人ひとりは意思のある「人」であり、給与などの直接報酬さえ上がれば自主的に成長するような単純な話ではないからこそ、「人という資本」を最大限活かして価値を生み出せる組織を作るには、人事である私が人について解像度高く理解していなければいけない。私の場合は心理カウンセラーとキャリアカウンセラーという仕事を通して様々な人の悩みや痛みに触れたことが、「人」に対する理解を深めることに役立ったと思います。

「個人」と「組織」を行き来しながら、人々の“ペイン”を根治していきたい。

━━ これからのキャリアで目指したいWILLを教えてください。

私は人が抱える“ペイン”(何かしらの障害やリスク、課題や悩みなど、不安の種)を解消できる専門家でいたいと思っていて、そのためには個人と組織、どちらに対してもアプローチできなければいけないと思っています。キャリアの中で出てくる色々な問題を眺める時、個人の中だけで完結することはまずなくて、働く場所すなわち会社の仕組みや環境でそうなっていると感じられることが多いからです。

人事として組織の仕組み作りをする時には、「新入社員3年目まで」とか「育休復帰者」とかいうように、組織全体を人の塊として見る必要があります。でも実際には社員一人ひとりは当然生身の人間であり、そこにはそれぞれ別の人生があって、それぞれの悩みがある。ところが、そうして個人の人生にフォーカスしてカウンセリングしてみると、結局やっぱり、これは組織の問題だなと思うことがとても多いんです。だから人の“ペイン”を解消するためには、個人に寄り添う部分も持ちながら、組織に向き合ってその構造的な問題を解決していく、その両方を兼ね備えた人でありたいです。

カウンセラーとして個人に寄り添いつつ、スクーの人事として組織の問題解決に取り組む。人に寄り添いすぎるわけでもなく、組織のことだけを考えるわけでもなく、その両方から得られる学びを活かして人の“ペイン”を解消していきたいです。


■株式会社Schoo

MISSION:世の中から卒業をなくす
VISION:インターネット学習で人類を変革する

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