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企業と社員は対等に求め合う関係へ。CHROの目指す、「この会社で成長したい」と思ってもらえる組織づくり

2023年7月6日、スクーはCHRO(Chief Human Resource Officer:最高人事責任者)として野島亮太の就任(CLOと兼務)を発表しました。

これまでのキャリアで人材育成や組織開発とどのような接点を持ってきたか、CHROとしてスクーでどのような役割を担い、何を実現していくのか、野島に聞きました。

株式会社Schoo 執行役員 CHRO兼CLO 野島亮太
2006年株式会社リクルートに新卒入社。分譲マンション領域にて営業に従事し、通期MVPやリクルート全社表彰「TOPGUN AWARD」において多数受賞。2012年当時最年少でマネージャーに任用。その後リクルートホールディングスに異動し、経営企画業務や役員秘書の統括、リクルート全社でのナレッジマネジメント構築等を担当。
2016年よりITベンチャー企業にてセールス責任者として営業組織の立ち上げ・拡大に従事。また、全社の事業推進責任者、新規事業責任者等も担当。
その後フリーランスとして営業マネージャー育成支援や営業組織の立ち上げ、事業戦略立案のサポート、採用サポートなど様々な業務経験を経て、2018年スクーに入社。法人事業責任者/VP of Salesを担当。2021年から高等教育機関DX事業責任者を担当。2023年からCHRO兼CLOを担当。


CHROとCLO、着任したポジションのスクーにおける2つのミッション

ーー事業責任者などを経てこの度CHROに就任されましたが、CHROの新設やCLOとの兼任は、スクーにとってどのような意義があると考えていますか?

スクーにおける「CHRO」や「CLO」の役割は、ビジョン・ミッションを実現するために進めている事業の非連続な成長を、組織・人材という観点でさらに加速させていくことです。私が事業責任者だった頃から感じていた組織の課題が2つあり、今回の就任にあたってそれらとじっくり向き合う時がきたと捉えています。

一つは、組織としての成長。スクーはコロナ禍でのオンライン化の急速な普及や、リスキリングへの関心の高まりを受けて事業が堅調に推移し、ここ数年でメンバーも2倍に増え、組織が拡大しました。急速に拡大したからこそ、そのスピードに組織の成長具合を追いつかせる必要がでてきています。スクーが12年間ぶらさずに掲げている「世の中から卒業をなくす」というミッションをはじめ、ビジョンやフィロソフィーなどはとても明確ですが、この言葉だけでは組織に浸透させるためにはやや抽象度が高いと考えています。今や従業員数は200人を超え、かつリモートワーク主体の働き方にもなったことで、各自の受信力と解釈に任せてもそれが浸透する組織フェーズではなくなりました。

ミッション・ビジョン・フィロソフィーを目指すべき「旗」だとした時に、そこへのマイルストーンを人材マネジメントポリシーや人事制度といった目に見える形で提示し、メンバーそれぞれが納得感を持って旗を目指せる仕組みを急ぎ整えなければと思っています。

もう一つは、個々のメンバーの成長促進です。学びで人の成長を促す事業を主軸としている以上、我々が当然それを体現しているべきです。成長しよう、成長したいと思っていないメンバーは、スクーには一人もいません。それが自信を持って言えるからこそ、成長意欲をもっと高めたり、その成長意欲に応える支援を会社として提供しなければいけないと考えています。昨年からは「スクーユニバーシティ」という社内大学のような学習支援も始まり、社内のコミュニティ内での学びの支援にも力を入れてきました。

いかに「この会社で成長したい」と思ってもらうかが、強い組織になるポイント

ーーこれまでのキャリアの中で、人材育成や組織開発などについてはどのような接点を持ってきましたか?

リクルートに勤めていた頃、コンピタンスマネジメント室というところで約2年間、ナレッジ構築や人事制度の一部改定を担当していました。「仕事の型化」に力を入れており、各部署のリクルート社員の「良い仕事」を集めて該当者にプレゼンをしてもらい、そのナレッジを言語化して他の社員が真似できるようにする取り組みを担っていました。

ちなみにスクーでも半期に一度「Schoo MVP表彰」を行い受賞者に全社プレゼンをしてもらっています。この制度自体は私の入社前からありましたが、ただ表彰するだけでなく、なぜ表彰されたのかなどナレッジとなる部分をメンバーにも分かってもらえるように、リクルート時代に考え抜いて作った制度をスクーにも取り入れて改善し続けています。このように、当時培った経験は今でも私の組織や育成に関する考え方のベースになっています。

一方、リクルートは社員を「育成」するとは謳わず、「会社は個人のWilを大切にする。ただし成長を求める。停滞は許さない」という基本スタンスですが、こういった従業員の成長を従業員自身に委ねるやり方だけが正解ではないとも思います。次に入社した急成長中のベンチャー企業では、事業の成長に組織が追いつかず、事業責任者や部門責任者、ユニットマネージャーを私一人でいくつも兼務していました。そんな中でメンバーの育成にまでとても手が回らず、「機会は渡すから、各自で勝手に育ってくれ」というスタンスを取らざるを得ませんでした。その結果、社員がどんどん辞めていってしまったという苦い経験をしたんです。

従業員一人ひとりの働きが会社の明日を支えているようなベンチャー企業では、組織の「ゆとり」や待遇面の魅力では大企業に敵わないからこそ、会社側が手を差し伸べて従業員の育成にコミットする必要があるのだとその時痛感しました。  

ーーこれまでの経験を踏まえ、新たなポジションにおいてはどのように活かしたいですか?

私の人事責任者としてのスタンスは、この二つの経験から得た知見が混ざり合ったものです。本人のWillは大事にするが、同時に会社として成果や成長は求める。育成において最も大切なのは、一緒に働く仲間の成長意欲を会社側が醸成すること。

とは言え、自立した大人に対して「育成」という言葉を使うのは個人的に好きではありません。会社や上長の仕事は従業員を「育てる」というよりも、本人のWillを汲んで正しい成長の方向性を示してあげることと、成長の機会を渡してあげることだと思います。だからこそ人事として強い組織を作るためには、「この会社で成長したいと思ってもらうには?」というのが最重要テーマだと考えています。

もう一つ付け加えるなら、人が本当の意味で成長するためには、技術を教えるだけでなく、その人の根本的な性質やWillをしっかり理解してあげる必要があります。私自身、メンバーや関わった従業員の「今目の前の姿」だけでなく、どんな過去を持っているのか、どんな過程を経て社会人になり、今どんな気持ちで働いているのかといった「人生ストーリー」を知ることから始めることをポリシーとしています。

スクーも急拡大中とはいえまだ200人の組織ですから、今ならまだそれができるはずですし、人事責任者としてそこからメンバーと向き合うつもりです。

「人的資本経営」時代、人への投資をどのようにスクーらしく実現するか

ーー世界的に「人的資本経営」が広がり、組織における人への投資の重要性はますます高まっています。この流れをどう捉えていますか?

私自身がスクーを含め、これまでも「人」に価値の源泉を見出す会社にいたこともあり、個人的には当然の流れだと思います。一方、人的資本経営の実践とは、人の価値を定量化するということでもあるので、「これが優秀なビジネスパーソンだ」という特定の定義が絶対的正解のように捉えられてしまう危険性もあると思います。本来そこに正解はなく、だからこそ企業によって最適なやり方を探る必要があるでしょう。

それに関連して、企業と個人の関係についてももちろん「対等」であるべきだと思います。「対等」というのは、企業と社員がお互いに認め合い、要求し合う関係であるということです。社員はキャリア実現や待遇・働きやすさの改善を企業に要求する。その代わり企業側も、当然社員に成果や成長を求める。企業として成長していくためにはこの両者の求め合いのバランスを健全に保つことが重要だと思いますし、そのバランスのとり方に企業の「色」が出るのではないでしょうか。

ーー最後に、スクーのCHRO兼CLOとして、改めてどんなことを実現したいですか?

初めの話と重なりますが、人事の全ての仕事の目的は、究極的には「事業を成長させること」です。事業成長のために最適な組織作りと、人材育成支援などの最適な人事制度を作りたいです。

もう一つは「スクーならでは」の人事制度を発明すること。スクーのフィロソフィーは「発明する組織」ですが、そもそも何をもって「発明」とするのか。発明できる人材とはどんな人材か。この問いと改めて向き合い、その定義を一つひとつ整理して言語化・論理化することが、「スクーならでは」の人事を発明することに繋がると思っています。


■株式会社Schoo

MISSION:世の中から卒業をなくす
VISION:インターネット学習で人類を変革する


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